プロボクサーはオリンピックに「出れない」の?
答えは『出ない』だけです。
東京オリンピックが開催され、多彩な競技でメダルを獲得する選手たち。
オリンピックのルールとして、プロ選手の出場は可能となっており、実際に野球などは沢山のプロたちが出場しています。
では、なぜボクシングにはプロボクサーが出ないのか、2つの理由と、オリンピックでメダルを獲得した選手たちの、その後の経緯もご紹介しています。
ボクシングでオリンピックにプロボクサーが「出ない」理由①『キャリア剥奪』!
オリンピックともなれば、世界でも有名になれたり、見てもらえるチャンスも増えるはず。
それでもプロがオリンピックに「出ない」理由をご紹介します。
ボクシングでオリンピックに出ない理由…プロでの「経歴」を剥奪される
オリンピックは本来、アマチュア選手の祭典として誕生した競技であり、安全面や健康面においては、「プロ選手」と「アマチュア選手」が一緒にプレーするのは望ましくないとしています。
そこで、プロ選手の参加は認めるものの、実力差を考慮するべく、出場したプロ選手にはタイトルはく奪やランキングから除外するなどの制裁を科すと、規定を設けているのです。
運営する組織としても、プロの参加で圧勝では面白くもないですね。
なんと言ってもスポーツであり、世界が楽しく鑑賞するものである為にも、安全性は守られなければいけません。
オリンピックに出場する選手のモチベーションや出場する理由は様々あると思いますが、規定に関してグレーゾーンが多いのでどうしていいか分からないですよね。
ボクシングでオリンピックに出ない理由…プロは「ランク」を落としてまで試合をしない
プロ選手は、オリンピック出場に興味があるとしても、マイナー資格を取得してまで、オリンピックへ出場することはしないと言うことです。
もちろん、出場を目指す選手がいたり、出場している世界の選手もいましたが、やはりプロボクサーはオリンピックで活躍する場を求めるのではなく、自分の信じるプロフェッショナルの道を極める人が多いのです。
ちなみに、プロ選手がオリンピックへ出場したいとなると、AIBA(国際ボクシング連盟)が立ち上げた「WSB」というプロボクシング団体があり、このWSBと契約する必要が出てきます。
「WBA」「WBC」「IBF」「WBO」などの団体に所属しているプロ選手でも、条件をクリアすれば「WSB」に選手登録出来ますが、マイナー契約に降格する様な形になるので、おそらくほとんどのプロボクサーは契約しないでしょう。
ボクシングでオリンピックにプロボクサーが「出ない」理由②『ルール』が違う
アマチュア選手とプロ選手では「ルール」が大きく違っているんです。
では、どの様な違いがあるのかをご紹介していきますね。
ボクシングでオリンピックに出ない理由…アマチュアとプロでは「試合ルール」が違う
プロ選手とアマチュア選手の試合ではそのそもの、ルールが違うという根本的な違いがあるなんて驚きでしたが、詳しく調べました。
オリンピック大会のルールでは、相手に有効打を与えてポイントを取る「ポイント制」で勝敗が決まります。
<プロとアマチュアの試合時間と勝敗>
試合時間 | 勝敗のポイント | |
プロ選手 | 3分12ラウンド |
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アマチュア選手 | 3分3ラウンド |
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この様に、アマチュアとプロの試合には大きなルールの違いがあるのです。
プロでもオリンピック出場は「簡単」ではない
プロだからアマチュア選手に勝つのは簡単と思われるかもしれませんが、現実はそう簡単なものではありません。
過去にオリンピックで活躍された2人の選手を例にあげてご紹介していきます。
マイク・タイソン選手の場合
過去に、「マイク・タイソン」選手がアマチュア時代にオリンピックを目指し、国内予選の最終選考会でダウンを奪いながらも「ポイントで判定負け」となり、オリンピックに出場できませんでした。
有名なプロボクサーであっても、オリンピックの壁は厚いのです。
高山勝成選手の場合
プロの4団体で「世界ミニマム級王者」となった「高山勝成」選手が、今回の東京オリンピック出場を目指して、アマチュアの試合に出場しました。
なんとその結果は、国内予選で敗退してしまう大波乱に。
この様に、プロの世界王者でもオリンピックに出場することが簡単ではないのです。
高山勝成選手のボクシングスタイルは、打たれて打ち返すタイプですが、アマチュアでのルールは「3分3ラウンド」しかありませんので、長時間の戦いで本領発揮する選手には、時間との戦いもあり不利な状況になります。
プロだから勝てると言うものではないと認識しておきましょう。
オリンピックでメダルを獲得したアマチュア選手は「プロ」になる?
いろいろとボクシングの何故について調査してみましたが、次は「活躍した選手がプロになるのか?」という疑問について調査しましたよ。
結論としては、全員が「プロボクサー」へと転身しています。
アマチュア選手は「プロ」に転身している
実際にオリンピックでメダルを獲得して自信を持ちプロに転向された方をご紹介します。
<プロに転向した選手>
- 桜井孝雄(1964年東京オリンピック)
- 村田諒太(2012年ロンドンオリンピック)
- 田辺清(1960年ローマオリンピック)
- 森岡栄治(1968年メキシコオリンピック)
- 清水聡(2012年ロンドンオリンピック)
オリンピックでの活躍は、アマチュア選手に対し自信を持たせ、契約するプロの団体が興味を示せば、その先にはプロフェッショナルの世界へ進むといった状況になります。
絶対とは言えないが、ほとんどのアマチュア選手はプロへ転身する傾向にあると言える。
東京オリンピックで『ボクシング女子』も奮闘
ボクシング女子でも東京オリンピックで活躍した選手2人をご紹介していきます。
入江聖奈選手
東京オリンピック、ボクシングの女子フェザー級に出場した入江聖奈(日体大)が「金メダル」を獲得しました。
8月3日の決勝で闘った相手は、2019年世界選手権で優勝したネスティー・ペテシオ(フィリピン)選手。
日本人選手としては、ロンドン五輪から正式種目に採用された女子では「初の快挙」となったのです。
並木月海選手
もう一人は並木月海選手です。
2018年の世界選手権で銅メダルを獲得し、東京大会でもメダル獲得が期待されていました。
ボクシングでオリンピックに『プロボクサー』が出ないのはなぜ?簡単にわかる2つの理由をご紹介!まとめ
今回はオリンピックのボクシング競技において、なぜ「プロ」の選手が出ないのか、2つの理由をご紹介しました。
- 1つ目の理由…プロ選手の経歴が剥奪されるので出ない
- 2つ目の理由…アマチュアとプロでは試合ルールが大きく違うので出ない
いろいろ調べてきましたが、実際にはプロが経歴を捨ててまで、オリンピックに出場したいという選手は少ないですよね。
もう一つ、ルールはいくらプロの選手であっても苦戦を強いられることもあり、そこまでして執着することもないなと感じています。
オリンピックのボクシングに関しての「なぜ?」を調べてみると、意外と知られていない事情がありましたね。
今後も頑張るアマチュアとプロ選手にとって、価値のある方向を選んで欲しいですね。
またアマチュア選手も応援してボクシングを盛り上げていきましょう!!